大学4回生で研究室に配属されて以降,博士課程に進学した今となってはずいぶん先輩な立場になりました。
目の前の勉強や研究に齧り付く毎日でしたが,ふと顔を上げてみると研究室という組織について色々と考えなければいけないなと。
PDとして研究業界に進むのか,一般企業に就職するのかはまだあまり考えられていませんが,組織のあり方を意識して,上下の人間関係に思いを馳せるのは不可避なことでしょう。
ということで組織としての研究室のこと,後輩とのことを考えて書き起こしていきます。
研究はテームプレイという意識
1人でなんでもこなせる天才なんていないと思います。研究分野が広範に広がり細分化された先でどんどん専門性で尖っていく現代において,それはとても顕著に顕れていると思います。
それぞれの専門家たちが共同研究していくわけです。
誰かと共同作業することからは逃れられません。
この本が参考になります。
Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか
- 作者:Brian W. Fitzpatrick,Ben Collins-Sussman
- 発売日: 2013/07/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
Google社における共同作業の実践とその理論の紹介です。
具体的にはプログラマーにとっての内容ですが,我々に無関係ではありません。
そういうところで関係ないやーと見逃してしまうのももったいないことです。
本書の「最後に」でも触れられています。
健全なコミュニティを維持するための方法なので,あらゆるコミュニティが対象となる。
また,「5.4.7 忙しい研究者に(メールで)お願いする方法」を読んでいて,学振の申請書のことも思いだしてました。これについてはまたどこかで書けたらいいなと思います。
研究室での後輩指導は難しい
学生という生き物も上司になり得ます。研究室配属されてる学生っていうのは大人です。
また,大学院生は立派な研究者の1人でもあります。
「これくらいできてくれなきゃ困る」ということももちろんあります。
そういうことを後輩に言いたくなる気持ちもわかります。
だからと言って自分1人で全てができなきゃいけないわけでもないと思います。
できなければできるようになればいい。わからなければ学べばいい
そういうことです。
おんぶにだっこは困りますが,選択肢や指針を引き出してあげるのが先達と仕事だと思ってる。
というわけで最近読んでるのはこの本です。
研究業界人による視点なので,非常に参考になります。
それでも業界に関係なく共通することだよなと思いながら読み進めました。
後輩相手に世話を焼きすぎになりそうなときや,説教くさく物申してしまいそうなときに読み返してます。
それでもやっぱり後輩との接し方というのには頭を悩ませる日々です。
という形だけできたので公開しておきます。